STORY

8.「あづま袋」で包む、ということ

あとりえ菫
The Quiet Moment of Untying the Azuma-bukuro

自分を大切にするという、静かな儀式

「すみれうさぎ」を納めたかごを、最後にあとりえ菫ではリバティのタナローンで仕立てた「あづま袋」ですっぽりと包みます。

あづま袋という形には、日本ならではのミニマルな知恵が詰まっています。手ぬぐいを無駄なく使い、結ぶことで形を成す。その潔さと機能美に、私は昔から強く惹かれてきました。そして、同じように結ぶ文化の中で、風呂敷も大切に使ってきました。

振り返れば、私の幼いころの暮らしには、いつも風呂敷がありました。 炊き立てのおひつを温かな湯気ごと包んでいた、母の青と白の大きな花模様の風呂敷。親戚の家へうかがう際は、お菓子の箱を美しい桃色の風呂敷で丁寧に包み直していた母の指先。 その結び目をほどく瞬間の、胸が躍るような高揚感を今でもはっきりと覚えています。

今、私のアトリエには、編みかけの毛糸や裁縫道具を収めた、リバティのあづま袋がたくさん並んでいます。お気に入りの柄が重なり合うその光景は、まるで立体的なパッチワークのようで、眺めているだけで心が満たされていくのです。

この子の居場所を何で包もうかと考えたとき、迷いはありませんでした。 風呂敷のような包容力を持ちながら、より軽やかに、現代の暮らしになじむあづま袋。 結び目で守ることで生まれる「安心感」と、それを解くときに訪れる「自分へのご褒美」のような時間。

リバティの繊細な色彩で包まれたかごは、届いたその瞬間から、あなただけの特別な聖域になります。

安心できる居場所を、さらに愛おしく、大切に包み込みたい。 この結び目をほどくとき、あなたの心にも、純粋なワクワクが灯りますように。

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